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和田町の国道一二八号に架かる花園橋の欄干に、稲わらで作った大蛇が大きな口を開けて西方を睨み、もう一つの蟹田橋の欄干にも、やはり稲わらの大蛇が東方を睨んでいます。これは昔から伝わる「道切り」という習俗で、二匹の稲わらの大蛇が、柴の集落に病魔や邪悪な鬼が侵入しようとすれば、呑み込もうとしているのです。この柴の習俗は江戸時代から続いているようですが、稲わらの大蛇は橋の近くに住む年輩の人たちが節分(一月二八日)に作り、集落の境を流れる川の橋に掛けるのです。稲わらの大蛇は丁寧に作られており、大きく開く口の中には、先が割れた蛇の舌まで赤い唐辛子を使い作ってあります。稲わらの大蛇とは言え、長く続けているので霊力があり、本当に病魔や角のある鬼を呑み込む、と土地の人たちは誰もが信じていますから、いつの頃からか、珍しい風習が生まれました。文金高島田の花嫁が大蛇の前を通るときは、大蛇に鬼のような角がないことを見せるため、角隠しを外して通り、そして大蛇から離れると、外した角隠しを掛け直すのです。《広報みなみぼうそう 2012 No.77》
柴の道切り
Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR
◎柴の大蛇
舌はアロエの花、耳は枇杷、目はミカン(柚子)、木札には「柴区安泰と無病息災」と書かれている。