房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

牛尾の蛇まつり'10

牛尾部落の鎮守白幡神社(下郷)、子野神社(上郷、現在潮神社合祀)の祭礼は毎年十一月十五日に行われ、当日両社の氏子によって藁で作った大蛇が奉納される。これを牛尾の蛇まつりと呼んでいる。祭礼前日の十四日、両社の氏子がそれぞれ当番の家に集まり、稲藁で長さ約八米、八頭の大蛇を作り、尾に「天下泰平」「五穀豊穣」と書いた剣を付け、その日は当番宅の座敷に飾っておき翌十五日氏子中の童子を荒形、女形に仕立てこれを先頭に、十数人の若者が大蛇を担いで当番家から鎮守に向かう。途中前後左右に荒れ廻りながら社頭に至り、華表に巻きつけられる。それより社前において酒宴が催される。蛇まつりは現在新暦であるが、かつては陰暦霜月十五日であった。これは村人達が秋の収穫を感謝し併せて五穀の豊作、そして無病息災を祈願する素朴な神事であり、数百年の長い伝統があるという。多古町教育員会《潮神社案内板》

牛尾の蛇まつり 当日次第


◎上郷集落
10:00 潮神社神事
10:15 祭礼準備(墨塗り)
11:00 牛尾青年館発
11:10 潮神社拝殿着・記念写真撮影
11:15 鳥居に巻きつける
11:30 直会

◎下郷集落
08:00 集合(総代・会計から)
08:15 作業開始 幟立から始める
      女性はおにぎり(一斗・二五〇個)作り、重箱の料理を中心に
10:00 神社へ直会で飲食する料理・酒を運ぶ
      「神の鉢(赤飯)」の用意
11:00 白幡神社神事
11:00 昼食(当家)
12:30 蛇 当家を出発する
      神社に到着し、神の鉢(赤飯)を参拝者に配る
      蛇を神社の鳥居に巻きつける
13:30 担ぎ手・総代・当家・囃子方などは送り重を持って次の当番の家へ
15:00 片付け・神社境内・幟を下す
16:00 宴会(当家にて)
17:30 解散

『 俺たち白幡大明神、悪魔を祓え、ヨーイヤッサ 』
疫病や悪魔が村内に入って来ないようにする綱吊りが祭礼に発展したと思われます。

奉納日:毎年十一月十五日 直前日曜日
伝承地:千葉県香取郡多古町牛尾238 白幡神社/潮神社