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千倉町川口の鹿島神社の入口にミヤモトとよばれる家がある。午後、六名の氏子と十七名の少女たちは、まずこの家で御神酒をうけてからミノコオドリの奉納に出かける。神社を皮切りに、十ヶ所回り終えた後に戻ってくるのも、やはりこの家である。ミヤモトは別名セイメイノマツリヤシキともいうが、セイメイとは占師を意味する晴明であろうか。事実、同日朝に行なわれる湯立て式は、代々この家が司ることになっている。湯立てからミノコオドリまでの一連の行事はオビシャと総称され、区では一年で最も大切な日とされている。さて、浴衣姿の少女たちが御幣と扇を手に、輪になって踊るさまは、安房のミノコドリに共通の形態であるが、川口では音頭とりの氏子がそろって立鳥帽子をかぶり、さらに少女たちも含めてシタダレという白い肩かけを身につけているところが目新しい。その踊り方に、躍ねるような動作が見られることである。衣装とあわせて、まさに東海地方の鹿島踊り彷彿とさせる点が、実に興味深い。《館山市立博物館報 第四二号(平成五年三月二五日) 安房の郷土芸能誌6 「川口のミノコオドリ」》
川口のミノコオドリ
夏のミノコオドリは“千倉のまっち”が始まる前の金曜日に行われる。
昼頃に鹿嶋神社に於いて関係者一同が集まり祭典が執り行われ、その後に直会となる。
子ども達が学校から帰って来て準備を整え、舞人一同がそろってから、ミノコオドリの奉納が始まる。