房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

土室の花見祭'12

《土室花見祭り》 土室地区では、今でも子どもたちや保存会の人々が、万灯や花飾りで飾られた神楽櫃と呼ばれる車を曳ながら神社に向かいます。この獅子舞は、今から約170年前の天保年間(一八三〇〜一八四四)に茨城県から丸一神楽の系統をひく社中によって、大室村(現成田市大室)へもたらされ、その後隣村の土室へ、そして土室の若者たちによって幡谷の地に伝えられたといわれています。継承者が減少するなどの理由から一時中断していましたが、昭和六〇年に地区の有志により保存会が結成されて再開し、現在まで受け継がれています。神社では、小御門神社(下総町)の宮司による祭礼のあと、獅子舞が奉納されます。この時舞われる獅子舞は、布舞、幣束舞、剣の舞の三部構成となっています。土室の鹿島神社では、二つの地区が獅子舞を奉納します。最初に土室地区の布舞、幣束舞、鈴の舞、続いて高崎地区の布舞、幣束舞、剣の舞が行われます。

土室神楽


神楽唄
一、いざーや神ー楽  アーコリャ 舞遊ーぶー
二、朝ー日 輝ーく  アーコリャ 伊勢のーやーまー
三、神ーの社ーに   アーコリャ まつーりーてー
四、あまーの岩やーを アーコリャ 押しー開ーく
五、みな しんじんの アーコリャ
  御幣を持って我が悪魔を払う そこで えがく

Nikon D300 + AF-S NIKKOR 16-35mm F4G ED VR

成田空港へ着陸する旅客機が長閑な田園風景の上空をかすめ飛ぶ。桜咲き暖かな日和の中、農村の鎮守で二地区の獅子神楽が奉納される。午後十二時三〇分頃、高崎地区の氏子がお囃子を奏でながら神楽櫃を曳き、土室地区の鹿島神社へ向けて出発する。十三時頃に土室集会所前に二地区が合流し、共に鹿島神社へ向かう。鳥居前で砂切を演奏し、神楽櫃の花飾りを取り外し、土室地区・高崎地区の順序で階段を上って行く。奉納舞は拝殿の中で行われ、舞の大部分が神前の方向を向いて行われる。

奉納日:毎年4月 第1日曜日 13:00-公会堂出発・神社着後奉納 13:45-終演
伝承地:千葉県成田市土室372 鹿島神社