房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

関尻の綱吊り'10(大わらじ)

昔は、二月の初めての雨の日に、現在は、二月の第一日曜日に行なわれ、地区の全戸(十八戸)から一名ずつが参加して身の丈ほとの藁草履と藁の酒樽、吊り下げる網に杉の葉と炭を挟み込みます。これを、上後村との境二ヶ所と関村との境に下げます。大きな草履は、このむらには、巨人が住んでいるとか、疫病神にこの草履をはいて帰ってもらう意味があるといわれています。網に挟み込む杉の葉と炭は「私のむらの災いは過ぎ(杉)ました、済み(炭)ました」と、門前払いにしてしまうもので、災いに門前払いを食わしたままでは後々もっとたたると怖いので、酒樽の酒を振舞い新しい草履をはいて帰ってもらおうという願いが込められています。

関尻の綱吊り

『関尻の大わらじ』を撮影してきました。集会所後方にある、お堂の屋内で大草鞋を作ります。大わらじ作りの作業が終わったら、軽トラで吊るす場所、三ヶ所にいっせいに運びます。ですので、吊り下げる場面は一ヶ所しか撮影が出来ません。駐車場は集会所にあります。現地に早く到着すると集会所入口前にロープが張ってありますのでご注意を。食料品店は小型スーパーのダイトストアがY字路にあります。コンビニはありません。関尻から大山千枚田まで約15分です。また、近くの関地区には『関の姥石』があります。

奉納日:毎年二月 第一日曜日 13:00-15:30
伝承地:千葉県富津市関尻56-2 関尻集会所