房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

吉保八幡神社の流鏑馬神事'04

毎年九月最終日曜日に、吉保八幡神社の祭礼で「やぶさめ」の神事が行われる。吉保八幡のやぶさめは、地頭の畠山・鈴木両氏の家系によって伝えられ、現在では仲・大川面・宮山・八丁地区の氏子らによる「長狭やぶさめ保存会」が保存・継承に努めています。祭事の役に、祢宜と呼ばれる弓取り神役があるが、この役にたずさわる者は祭りの中心を担うことになり、一週間ほど前から厳格な精進潔斎を行い、神社に籠もって別火生活に入り、毎朝早朝、参拝したのち水垢離をとって神事にのぞむ。祭礼当日、早朝には朝祭りが行われ、午後には祢宜迎えと称して笛太鼓にともなわれた練り歩きがあり、やがて「やぶさめ」が行われる。お練りには、神輿八基、屋台五台、宮立ちと呼ばれる神楽宮九基が登場し、たいへん賑やかである。「やぶさめ」は、はじめ、下乗りによって一二〇間(約二一六b)の馬場で試乗される。そして、この試乗後にいよいよ祢宜が乗って、駆けあがる馬上から、左手に十五bほど離れたところに立てられた的をめがけて矢が放たれる。的は三つ立てられており、合計九本の矢で三回ずつ射る。一回目は、早稲の早生・中生・晩生の矢とし、第二回目を中稲の、第三回目を晩稲を意味する。この矢の当たり具合で、翌年の適種や豊凶を占う。また、的は虫除けの御利益があるとされ、持ち帰る人も多く見受けられる。

吉保八幡神社の流鏑馬神事


02:00 起床・潔斎・饗応(禰宜宅)
04:00 暁祭・神酒二献乾杯(神社)
09:30 例大祭式典(神社)・式典終了後に直会(憩いの家)
10:45 宮立(仲・大川面・宮山・八丁)・神輿入社
12:30 禰宜迎え(神社出立)
13:15 獅子舞(禰宜宅)
13:55 行列(禰宜宅〜神社)
14:30 禰宜(弓取神役)到着
14:40 祭典(神社)・のっこみの儀
      1.祝詞奏上
      2.神酒二献の儀
15:00 屋台曳きこみ
15:30 流鏑馬神事(馬場)
      1.馬場ならし一走
      2.的の準備
      3.素馳一走
      4.的に矢を投げる一走
      5.騎射三走
16:30 流鏑馬神事終了報告祭、上区の宮立・神輿入社
      1.神酒二献の儀(神社)
      2.行列(神社〜禰宜宅)
17:00 神楽奉納、下区の宮立退社

流鏑馬を撮影に当たり、撮影場所を一度決めたら動けません。
かなりの人数の見学者・カメラマンが訪れます。
※臨時駐車場あり

奉納日:9月 最終日曜日 15:00-16:00
伝承地:千葉県鴨川市仲町253 吉保八幡神社[資料]