房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

大日様の祭り'19

おはつ稲荷の後方に、法界定印を結ぶ大日如来像を刻んだ石像がある。宝永五年(一七〇八)十月八日の建立で、「下総国埴部(生)郡竜台村 施主男女六十三人」と刻まれている。毎年旧十月八日に大日様の祭りがあり、このとき老人たちによって三本の竹と藁で石像の前の飾りが作り直されている。 土地の人はただ「大日様の飾り」といっているが、これは出羽三山信仰によく見られる梵天のようである。山形県の月山・湯殿山・羽黒山の出羽三山には、江戸時代には成田市周辺からも数多くの人々が参詣に出向いている。竜台も同様で、明治年間まで講があったという。そして講がなくなったことから、出羽三山のことは忘れられて大日様の祭りとなったが、梵天を立てることだけは継続されたのであろう。《小倉博 成田の史跡散歩》

大日様の祭り 旧暦十月八日
令和元年十一月四日 当日次第


08:00 竜台共同利用施設(竜台384-2)
08:30 清掃・梵天・藁飾り作り / 大日如来(おはつ稲荷)
10:40 関係者のみで祭典
10:50 後片付け
11:00 直会(竜台共同利用施設)

Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR

成田市竜台「おはつ稲荷」の後方に石仏の大日如来が鎮座している。毎年、旧暦十月八日の早朝に講の名残りとして「梵天と藁飾り」が新調される。梵天は出羽三山信仰に依るもので、房州の各地でも見る事が出来る。その梵天の前に四角が九つある藁飾りを設置する。これは現地の人も何を現しているか分からないそうであるが、仏教・大日如来であれば「金剛界曼荼羅」ではなかろうかと思う。
※駐車は「竜台上曲輪共同墓地/集会所」に止めて歩いて行く。

奉納日:旧暦十月八日 8:00-10:40
伝承地:千葉県成田市竜台 稲荷神社