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房総半島の東南端に位置する白間津は、戸数二三〇余戸の半農半漁の村である。この地区には、満四年目毎に行われる地域を挙げての祭りがあり、オオマチ(大祭)と呼ばれる。この祭りは、白間津の氏神日枝神社の祭礼と、日天・月天を象った一対のオオノボリを曳くオオナワタシと呼ばれる行事とからなる。祭りの期日は、かつては旧暦六月一四〜一六日の三日間であったが、現在は七月第四金土日となった。初日をヨミヤまたはヨイマツリといい、中日はナカビまたはホンマチといい日枝神社のお浜下りと、午後にオオナワタシの行事が行われる。最終日はアトマチまたはオノボリ・オカエリなどといい、日枝神社の神輿が還御する。この祭りには、ササラ踊り・トヒイライ・エンヤボウ・酒樽萬燈などの芸能が奉納される。それぞれの芸能の担い手は、時代によって若干の年齢の変動はあるものの、性と年齢による明確な区別があり、この祭りを特色づけるものとなっている。なかでも少年二人が努めるナカダチ役は注目される。これは身につける飾りからニッテン・ガッテンとも呼ばれ、祭りの期間中はササラ踊りの中心となるとともに、祭典時には神座の傍らに侍し、参加者の拝礼を受けるなど、神に擬した扱いを受けるのである。ナカダチは、十二歳になった氏子の少年から、学業に優れ、両親や家族が健康で、身の回りの世話のできる老人がいる家の長男が選ばれる。ナカダチは祭りが終わるまで、五〇日に及ぶ厳しい精進潔斎と別火の生活を過ごすほか、この期間毎日未明に起き、裸足で海岸に行って潮水のかかった砂を採り、神社に供える。これをショゴリトリまたはコリをホゴスなどといい、これらの習俗は現在も固く守られている。オオナワタシは、二本の幟を太綱で、大勢の青年が仮宮めざして競い曳く、勇壮な行事である。オオナワタシに曳かれる幟をオオノボリといい、金曜日早朝に神社の参道に立て、土曜日早朝にオオナワタシの会場に移した後、根元を二〇俵の土俵で固め、カジボウという二本の棒で左右を固定しておく。かつては曳いている時間の遅速で一年を占ったり、その倒れ方で作柄を占った。長く曳けば曳くほどよい年が来るといい、日天を陸、月天を海とする意識があって、日天が先に倒れると日照りに、月天が先に倒れるとアマドシ(雨年)になるとか時化が来るとかいった。
白間津のオオマチ(本祭)
令和元年七月二十日 当日次第
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※このページ上の画像は二〇一九年七月二十日(本祭)に撮影された物です。