房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

大崎大和神楽'19

白幡神社は、佐原地区大崎の鎮守です。祭神は、譽田別尊(「ほむたわけのみこと」または「ほんだわけのみこと」)です。譽田別尊とは、第十五代応神天皇の諱です。竟成小学校から南東に伸びる道を進むと切通しの場所があります。神社は、その左手の台地上に鎮座しています。木々に囲まれた短い石段の上に建つ明神鳥居をくぐり、石灯篭の並ぶ参道を抜け、さらに石段を上がると拝殿と本殿の前に出ます。本殿は、銅板葺の一間社流造です。白幡神社の創建年代は不明ですが、古老のいい伝えによると「国分胤道が矢作城を築いた際に、守護神として奉祀された」といわれています。胤道は千葉介平常胤の第五子で、国分氏の始祖です。胤道は、現在の本矢作の地に城を築き居城しました。今の「本矢作城跡」です。その後、国分氏第五代泰胤が、鎌倉時代の終わり頃、大崎城に本拠を移したとされています。弘化三年(一八四六)の「矢作古城跡之図」に、大崎城跡の様子が描かれており、大崎城が古くは「矢作城」と呼ばれていたことがわかります。国分氏は、代々の居城を「矢作城」と通称としたといわれています。この絵図には、現在地と同じ位置に「白幡大明神」の書き込みがあります。白幡神社では、毎年四月第一日曜日(以前は四月三日)の祭礼日に大和神楽が舞われます。この神楽は、江戸時代中期に伊勢地方からやってきた神楽の集団によって、この地区の長子のみに伝承されたものです。江戸時代には、笛・太鼓に合わせて舞いながら百戸余りの氏子を何日もかけて巡り歩き、厄を払い、五穀豊穣を祈願しました。戦後、途絶えた時期がありましたが、昭和五十年、区長及び役員をはじめ地元の方々の努力により、「大崎大和神楽保存会」が結成され、伝統の神楽を復興しました。一匹の獅子による布舞い、幣束舞い、鈴舞いの三通りの古風にして優雅な舞を、毎年神前に奉納しています。大崎の大和神楽は、昭和五二年六月一日に、市の無形民俗文化財に指定されました。春の訪れを感じながら、伝統の奉納神楽に足を運んでみてはいかがでしょうか。《 広報かとり 平成二九年十二月号 〜 香取遺産 vol.137 大崎の大和神楽 ―大崎の鎮守「白幡神社」と奉納神楽― 》

大崎大和神楽奉納祭
平成三一年四月七日 当日次第


10:00 おおさき区民館(大崎877-2) 砂切 → お練り(リヤカーに神楽道具を乗せて)
10:25 白幡神社(大崎1971) 鳥居/石段 → 社殿前整列 → 奉納準備
10:35 白幡神社 神楽奉納(社殿一周・布舞・幣束舞・鈴舞)
10:55 昼食休憩
12:00 大六天神社(大崎185)
14:00 大崎区民祭(大崎877-2) ※芸能ショー

Nikon Df + AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VR

◎香取市里神楽マップ 平成三一年三月三一日 改訂版
(2)大崎の大和神楽/大崎大和神楽保存会(昭和五二年市無形民俗文化財指定)
香取市大崎地区で江戸時代の中期頃、伊勢地方から来た神楽の集団によって伝えられたと言われている。昭和五十年に保存会を結成し、戦後一時途絶えていた神楽が復活した。また、地区では江戸時代から平成三年まで「大崎芸座連」(佐原囃子)としても活動しており、昭和四九年まで佐原の山車に乗演していた。演目:「馬鹿囃子・砂切・布舞・幣束舞・鈴舞」●四月第一日曜 白幡神社・大六天神社(11:00〜)●四月十五日「香取神宮神幸祭」(13:00〜行列)●一月三日 ショッピングセンターパルナ1F(11:30〜、14:30〜) ○所在:香取市大崎1971番地(白幡神社)、大崎185番地(大六天神社)

◎駐車について
早めに訪れれば、白幡神社の鳥居前に駐車可能なスペースがある。少し離れた場所に用水路の空地があるので、そこに駐車する事も出来る。区民館周辺は地元・関係者の車で混雑しているので駐車は難しい。

奉納日:毎年四月 第一日曜日
伝承地:千葉県香取市大崎1971 白幡神社