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2018 | 2015 |
◎八日市場の獅子
八日市場区では毎年祇園祭に御神輿神幸の露払いとして「獅子」(稚児の三匹獅子)を出している。獅子は雄獅子、雌獅子、子獅子、弓持ち、笹持ちと楽人(篠笛)から成り、道中は笛の音に合せて鞨鼓を打ちながら練り歩く。この獅子は浜宿の神楽、仁井宿の天狗、とともに八坂神社の三役として御神輿神幸に重きを成している。その起源は旧家に伝わる古文書によると、享保九年(一七二四)の祭礼に練り物として「八日市場より獅子出、浜宿より伊勢神楽出、にぎやかなり」と記されている。翌年享保十年には各町から練り物が出され本格的な祭礼が行われた。しかしこれは単発的に終わってしまい、復活は明和五年(一七六八)以降である。この間も、獅子と神楽は八日市場と浜宿の受け持ちとされ、現在に至る。八日市場の獅子頭は、宝暦八年(一七五八)〜宝暦十四年(一七六四)まで本宿組の名主を務めた伊能七朗右衛門(?〜一七七二)、―のちに忠敬の後見人も務める―によって、明和五年(一七六八)に揃えられた由緒ある品である。
◎浜宿の神楽
御輿の巡幸に、神楽(浜宿)・獅子(八日市場)・猿田彦(仁井宿)は三役と称して欠かせないものとなっている。神楽は元禄時代(一七〇〇年頃)から、お浜降りや御旅所の神輿の前で催された神楽舞にはじまる。のち御輿は氏子町内を巡幸するようになったが、これにともない御輿行列に、三匹獅子をはじめ各町から練り物の山車などもが加わった。山車は後に分離していったが、獅子と猿田彦は御輿の先払いとして、また神楽は後押えとなって御輿行列の形式を守り、特に神楽は御輿の巡幸しない場所も廻って代行する役割も果たしていた。浜宿の神楽は、独特の囃子を伴いながら三百年の伝統を今に伝えている。
佐原の大祭 露払い三匹獅子
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