|
2016 |
中根六社祭りは、東中滝神社、鶴沼神社(松堀)、熊野神社(部田)、四堰神社、八幡神社(中滝)、親神八幡神社(押日)、六社の祭礼である。古くから「お国自慢で見せたいものは、おおやのへいだと廻り松」とわれて来た。押日の八幡神社は、毎年九月二五日に開催されるが、昔は八月十五日であった。それが太陽暦に変わってから、現在の月日に改められた。この祭礼は、明和年間(一七六四〜一七七一)押日村の小雅楽之介という人が縁故に基づき椎木村の大宮の古社玉前神社から古い神輿を貰い受け押日八幡神社に納めたのである。祭礼行事は「堰ぎつね」「祖宗講」「親の日だ」「廻り松」がある。「堰ぎつね」とは、親神八幡神社の南にある山王堰の提根と神輿が順々に駆ける行事である。「祖宗講」は神輿を担ぎ進行中一同が声高らかに「祖宗講」「祖宗講」「御祖宗講」と歌うのであるが、現在は歌われない。「親の日だ」は珍しく、この行事は上総の奇祭と云われている。数人が肩と肩と手に手を取り合って組み合いながら輪を形作り、その肩の上にまた乗り重ねながら輪を組み、三層四層の櫓を築き一番上の者が日の丸の扇を開き椎木大宮神社に向かって、「おおやのへいだ」(親の日だ)と叫ぶ、そのうちどっと崩れ落ちる。若い衆はまた立ち上がり、一斉に囃し立て、次の組が行うという妙技である。これを見た見物客は一斉に拍手がおこる。「廻り松」とは最後の行事である。八幡神社の前方の田圃の中の小丘に松がある六社の神輿が順々に泥田の中を神輿を差し上げながら廻り、終了すると東中滝神社を先頭に、鶴沼神社(松堀)、熊野神社(部田)、四堰神社、八幡神社(中滝)、親神八幡神社(押日)の順で、東中滝神社で神事を行い、祭礼は終了する。このように祭礼は、先人から今日まで伝えられてきている郷土の貴重な文化である。《いすみ市岬庁舎 岬地域市民局 地域振興班》
中根六社祭り/長者・中根十三社祭り
平成二八年 当日次第
中根六社・長者七社=十三社合同祭
※駐車は「いすみ市役所 岬ふれあい会館・文化センター」(いすみ市岬町東中滝720-1)へ。