房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

鹿野山のはしご獅子舞 総仕上げ練習'15

毎年四月二十八日の祭礼の際、九十九谷を一望する白鳥神社前の広場において演じられる。伝承によると、今からおよそ五〇〇年ほど前の永正元年(一五〇四)に聖徳太子の勅願によって創建された神野寺は、野火によって消失しました。しかし、紀州高野山の名僧弘範上人が、真言密教を布教するために霊地鹿野山を訪れたという。その時、上人の徳を慕って木こりたちが移り住んだといわれている。彼らは、遠く離れた故郷の奥高野をしのび、獅子に託して舞ったのが、はしご獅子舞の始まりであると伝えられる。当時、奥高野には牡獅子が住んでいたといわれ、それを慕う牝獅子が断崖を模したはしごの上で恋いこがれ荒狂うさまが、演じられる。はしごのかたわらの榊は、牡丹の花にたとえたものであるといわれ、牝獅子は牡丹の咲く様を見て一層郷愁の思いにかられ、乱舞するものである。さらに、この日は「花嫁まつり」とも言われている。昔から白鳥神社は縁結びの神として知られ、夫婦そろって参拝すると幸せになるといわれている。かつては、白鳥神社の祭と神野寺の夜祭りは、一対をなして行なわれていた。神野寺の夜祭りは、若者たちの出会いの場であった。そして、夜祭で結ばれた二人が、翌年の春の白鳥神社の祭に、結婚式の衣装を着てお礼参りするならわしがあったが、近年はその面影も薄らいできた。今では鹿野山にだけ残るこの珍しい獅子舞は、県の無形民俗文化財に指定されています。

鹿野山はしご獅子舞 総仕上げ練習
平成廿七年四月廿六日


08:00 祭礼準備
09:30 子供囃子練習(九十九谷公園)
10:00 はしご獅子舞 総仕上げ練習(九十九谷公園) ※今年は順行(観客席側からの日照)
10:40 練習終了

Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED
Nikon D800 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)

本番当日の九十九谷公園は大勢の人で身動き一つとれなくなるが、最終練習である総仕上げでは、カメラマンは誰も居なく気兼ねなく、自由に撮影が出来る。獅子の演者は衣装を着て行うが、囃子連は私服であり、障害物(車)もあるので、絵的には余り良くないが「はしごの組立」が早く終われば、午前中に最終練習が行われ、観客席側からの左順光となり、本番の時とは異なる絵が撮れる。本番当日はゴルフ場側からの日照となり、観客席側からだと逆光になってしまう。最終練習でしか撮れない絵がある。
※本番当日はロープ内に入る事は出来ません。

奉納日:毎年四月二十八日 直前日曜日 08:00〜13:00
伝承地:千葉県君津市鹿野山118 九十九谷展望公園(白鳥神社前)