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2017 | 2015 | 2010 |
◎金田牛込
牛込は十一組に分かれており、ほとんどの組毎に縄吊りを行っています。縄吊りは、伝染病が道を伝わって、組内に入ってこないように道の入口に縄を吊るものです。三組では、毎年一月二日の九時三〇分頃に全戸二〇軒から代表がヤドに集まり、共同で行います。藁製の蛸・海老・木のスゴロク(サイコロのこと)・木札・注連・折った線香と切った自然薯を半紙に包んだものなどを左ないでシビ(とげ)を出した縄に挟み、道の両側に立てた青竹に張ります。
◎金田中野西村
中野地区の五町内ではそれぞれ縄つりを行っています。西村では、二月十一日の春祈祷に、十九軒の村人が集まって病気や魔物がむらの中に入らないよう綱つりを行い、その後飲食を共にします。大小一個ずつのサイコロ・藁の蛸・束子・幣束を作り、トゲを出した左綯いの縄に付けて海側の村境に吊ります。縄のトゲは悪魔が痛がるように、蛸は災いをすいとるため、束子は船の汚れを洗うものであるといいます。
木更津の道切り
Nikon Df + AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VR
道切り(綱吊り・辻切り)は県内各地で今でも見られるが徐々に姿を消していっている。東京湾岸の玄関口とも言える木更津市。東京湾アクアラインの接続地である金田地区でも道切りを見る事が出来る。こちらの「道切り」の特色は何といっても、鹿島人形である。鹿島信仰の一つで袖ヶ浦・君津で等身大の鹿島人形が作られるがコチラは綱に吊るす為か小さな藁人形である。藁人形だけ見てしまえば、呪いのたぐいかと思われがちだが、村を守る神様の依代(よりしろ)なのです。鹿島人形以外にぶら下がっている物にも意味がある。疫病・災いを防ぐ精神的なトラップとも言える「ワラの作り物」。スギは“○○が過ぎました”、サイコロは“ココは賭博で明け暮れているムラである”、タコは“疫病を吸い出そう”、様々な意味合いを込めて疫病・災いをムラへ入って来なくするための呪術の一つである。
平成二十七年は、竹内商店前の鹿島人形がもっとも見栄えが良かった。
また、商店の主によると、綱吊り作りは一月二日頃の午前中で、取り付けは一月十二日の午前九時半頃との事です。