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2014 |
この芝山町に人々が生活し始めたのは一万年以上も前にさかのぼります。特に古墳時代後期と言われる五世紀中頃から七世紀の初頭にかけて、見事な文化の華を咲かせたことは、出土するはにわや遺物から見て、明らかです。古代はまさしく大自然と闘い、共存していた時代です。厳しく、優しい自然の中で、人々は力を合わせ、肩を寄せあいながら暮らしていたのではないでしょうか。自然は人々に豊かな心を与え、人々は自然を愛し、絶えず暖かい心を通わせて暮らしていた時代。「はにわ」は、そんな時代の人々そのものなのかもしれません。「はにわ祭」は、そのような「はにわ」が語りかけるものをまっすぐに受けとめる祭です。人間本来の心を取り戻すこと、それは物や金を人生の全てとすることなく、心豊かに暮らすことにほかなりません。古代の衣装を身にまとい、心身を清め、わだかまりを捨て、現代に現れた古代の神々として登場する人々を、感謝と尊敬の気持ちで迎える「はにわ祭」。町をあげ、心を合わせてこの祭を行うことで、私たちは忘れられつつある「ふれあい」の気持ちを再認識できるはずです。一つの生活共同体とも言えるこの町を、そして暮らしている人々を、お互いにもっと大切にしていきたいと思います。それが「はにわ祭」なのです。
芝山はにわ祭り
Nikon D700 + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)
※降臨の儀(殿塚・姫塚古墳)での「巫女の舞」と、
※県指定無形民俗文化財「白枡粉屋踊り」の前に、芝山仁王尊と特設ステージで演じられる。