房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

山王竜神の舞(飯野神社祭礼'13)

今日は、飯野神社の御祭礼お目出度うございます。今から百四拾数年前、飯野村に置かれた飯野藩主保科氏の陣屋がありました。面積約四万坪の敷地は、今も延長約一・六キロメートルの周濠によって囲まれ、広大な陣屋は江戸時代に日本三陣屋の一つと呼ばれ、千葉県指定文化財となっている史跡でございます。この中に飯野地区の皆様が崇拝する飯野神社が鎮座致して居ります。その昔、日照りが続き、お濠の水が涸れてしまい、村人は雨乞いを思い立ち、竜神の舞を奉納して恵みの雨を降らせ豊作となりました。それでは、竜神の舞保存会の活動についてご紹介申し上げます。先輩の方々が、十九年前の平成六年十月二十日、千葉県文化会館において、第二十六回千葉県老人クラブ連合会主催の芸能大会で、「竜神の舞」を上演して最優秀賞に選ばれ千葉県知事賞を受賞しました。その関係で、幕張メッセ開会式、上総アカデミアパーク開会式、東京湾アクアライン開通式、館山道開通式等、幾多の祝賀会で活躍して参りました。引き続いて現在も私達会員は、毎年種々のお祝いの行事で「竜神の舞」を演じています。竜神の舞保存会会員一同は、日頃より切瑳琢磨し技術の向上に努めて居ります。本日は皆様のご健康とご多幸を祈念し合わせて、五穀豊穣と地域の発展を竜に託し、これより山王祭りばやし保存会のお雅子にのせまして「竜神の舞」を奉納(ご披露)致します。どうぞ、ご覧ください。《山王竜神の舞保存会》

飯野神社祭礼 山王竜神の舞


12:00 おぼり宮入(神輿は既に宮出している)
14:00 内裏塚古墳前(石井電化センター横)
16:00 森山塚古墳前(山王公民館)
18:30 三篠塚古墳前(飯野神社) ※舞い納め
◆上総飯野陣屋
飯野陣屋は、飯野藩初代藩主保科弾正忠正貞が、慶安元年(一六四八)に築造したもので、明治維新に至るまで十代二二〇年余りの間、藩主の居所であった。正貞は、信州高遠の城主保科正直の三男で、母親は徳川家康の異父同母妹であり、早くから家康に仕え、大阪夏の陣で活躍し、慶安元年(一六四八)六月大阪城番となり、前封と合わせ一万七千石を領し、飯野を居所とした。会津藩は本家にあたる。会津藩が相模と房総沿岸の警備を命ぜられた時、飯野藩が名代となり、弘化四年(一八四七)より嘉永六年(一八五三)迄、房総沿岸警備を命ぜられた。飯野藩歴代の藩主は、大阪定番、加番や江戸城門番を勤めることが多く、陣屋には代官がいた。禄高のうち、飯野周辺は三千石で、大部分は関西地方にあった。陣屋の面積は13万u余(約四万坪)で、本丸、二の丸、三の丸を備え、その堂々たる偉容は、日本三大陣屋の一と称せられた。周濠は幅5m、底部がV字形の薬研堀で、面積は6,620u(約二千坪)である。堀に沿って高さ2mの土塁が、ほぼその形を止めている。《県指定史跡》

飯野神社周辺は古墳などの史跡がかなり多く残されています。
「竜神の舞」は宮出の際には舞わず、巡行ヶ所と宮入に舞う。
神輿は午前中の早い時間帯に宮出する。
※区長・役員交代等により順路が変更になる場合がありますので、当日現地で確認して下さい。

奉納日:十月 第一日曜日
伝承地:千葉県富津市下飯野965 飯野神社