房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

鶴岡の羯鼓舞'13

鶴岡の羯鼓舞は明治以前より同地区内の長男の間に伝承され、毎年七月一日の浅間神社例祭、および時には旱魃の続く年に雨乞い祈願のために上演奉納されてきたものであるが、後継者難のため、しばしば伝承は中断された。大正十年三月に再興され昭和初めまで行われ、昭和二十九年に三興し昭和三十三年まで行われ、そして昭和五十年七月に四興し、現在に至っている。市内に伝承されている唯一の羯鼓舞である。例祭時、羯鼓舞保存会の人たちにより、拝殿石階段下のこの広場において、雄獅子役二名、雌獅子役一名、ササラ役の子ども四名、囃子手九名の合わせて十六名の構成で、十一曲目を約二時間にわたって上演する。演舞者の服装は、古くは着物の上に麻や木綿のゆはぎ、かたびらを羽織り、能袴をつけ白足袋をはいていたが、現在はゆかたに能袴、白足袋姿である。用具は獅子頭三、羯鼓三、笛四、鋲打太鼓一、締太鼓二、摺鉦二、弓一、花笠四、ササラ四、羯鼓舞踊順序一の景二十五点である。《富津市指定有形・無形民俗文化財》

鶴岡の羯鼓舞


12:00 例祭式
13:30 演者礼拝
14:00 奉納舞
16:00 終演

館山自動車道・富津中央ICを降りて館山方面に向かった所にある、浅間神社(古船浅間神社)。
かつて、この場所には標高二〇一米の浅間山がそびえていたが、周辺の山々共々山砂採取で姿を消してしまった。
浅間山の山頂で舞っていた獅子舞も、山の入口に社殿を移した場所の広場で舞う事となった。
羯鼓舞は雨乞いの舞であるが、雨雲を堰き止める役目の周囲の山々が消え去り、羯鼓の音が少しせつなく感じてしまう。
※平成二一年(二〇〇九)からは、七月第一日曜日に上演される事になりました。

奉納日:毎年七月 第一日曜日(元七月一日)
伝承地:千葉県富津市鶴岡474 古船浅間神社