房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

大杉山車の御浜降り 〜本郷浜'12〜

鋸南町では、本郷浜、吉浜、大六など、祭礼に大杉様と呼ばれる大杉山車を出す地区があります。
この大杉信仰のもとは、茨城県桜川村阿波にある、通称「あんば様」と呼ばれる大杉神社がその本宮です。
ここに祀られる大杉大明神は、関東から東北にかけて、疫病除け、航海安全の神様として広く信仰されてきました。
阿波の地は、かつては、霞ヶ浦・利根川・印旛沼・手賀沼一帯を含めた広大な内湾に突き出した半島状の地域でした。
そこに、そびえ立っていた大杉を、海川の守護の信仰対象とし、また航行の目印としていたと考えられます。

保田連合祭
本郷浜 大杉山車の御浜降り


07:00 お浜入りの準備 / 保田海岸臨時交番(出発地)
11:00 曳手集合・出発
11:50 大杉様の汐ふみ
12:30 浜上がり・終了

Nikon D800 + Nikon D300
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED + AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G(IF)

保田連合祭の初日に早朝から大杉山車を組み立て、午後から区内を曳き回し、翌日の本祭に保田神社に集結する。そして、大きくそびえ立っていた大杉様は、月曜日の早朝に御浜降りの準備で小さく切り分けられながらも、威厳を保っている。午前11時に曳手が集合し、木やり歌を謡いお囃子を奏でながら海岸道路を曳き、所々で氏子を数人で担ぎ海へ放り投げる。御浜降りが行われる場所まで移動すると、餅や菓子を大量に山車の上から投げ、一年に一度の祭礼を皆で祝う。別願院前にある海へと続く坂から山車が曳き手と供に海へ向かう、お囃子は止む事がなく海の中からでも演奏され続ける。いつもは平穏な東京湾だが、この日は波があり、波にもまれながらも小舟のように浮かんだ山車が幻想的だった。海から引き上げられた山車と曳き手は、豚汁で暖を取り、氏子は大杉様の御神木の枝を分けてもらい、祭りが終了する。
※本郷浜区は上町・仲町・下町と三組あり、話し合いにより、その年は花車か大杉山車を出すか決められます。
※上町と仲町は賀茂神社の氏子、下町は神明神社の氏子。

奉納日:毎年九月 最初の三連休 保田連合祭後の月曜日「敬老の日」は神輿(磯邊神社)・山車(浜)の御浜入り
伝承地:千葉県安房郡鋸南町保田181 保田海岸臨時交番(出発地)→本郷浜区コミュニティセンター(折り返し)→別願院(汐ふみ)