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西岬(にしざき)地区の洲崎と波左間には、ミノコオドリという少女たちによる踊りが伝えられています。洲崎では二月の初午の日と八月の洲崎神社例祭のとき、波左間では七月の諏訪神社例祭のときに行われます。どちらも、浴衣を着た小学生の女の子が輪になって、手には「オンベ」という幣束がついた棒と扇子を持ち、長老たちの歌と太鼓に合わせて踊ります。歌はとてもゆったりとした節まわしで、よく聞いてみると、「ありがたや、鹿島浦では、みろくの船が続いた」という歌詞がでてきます。これは、海の守り神である鹿島の神がいる浜に、宝物をいっぱい積んだ弥勒菩薩の船がやってきて、人々を救ってくれる、という意味です。これは海の神様への信仰と、世の中を救ってくれる仏様への信仰が合わさって、この歌と踊りになっているということです。日本では昔から海の遠い彼方に理想的なあの世があると信じられていましたが、西岬のミノコオドリはそのような昔の人たちの考えや気持ちを表現しているといえるものです。このような芸能は、太平洋に面した海岸地域で多く行われていて、特に安房地方のものは、伊豆半島に伝わっているものと、踊り方や歌がよく似ているそうです。市内ではほかに、西岬地区の小沼に同じ踊りがありましたが、一九九〇年頃に途絶えてしまいました。
諏訪神社例大祭 ホンマチ奉納経路
平成廿四年(二〇一二年)七月一日
早朝十時に諏訪神社にて、神事と奉納舞が行われる。
その後、十二時に神輿衆が宮出となる、ミノコオドリは稲荷様から村内を廻る。
奉納される唄は四曲ある、各地点の二曲目は約三分の「十七」と言う唄が奉納される。
最初の一曲目は「カシマ」もしくは「カノシマ」である。
また、最後の諏訪神社では締めとして「ヨーコー」が唄われる。
※現在は「ツクバ山」は唄われていない。