|
2012 |
この神事は、毎年二月二十六日にその年の農作物の豊凶を占うために行われます。始まった時期は不明ですが、神社の言い伝えに景行天皇が諸国巡幸の折、ここで五穀豊穣を占ったとあり、古くからの神事と考えられます。神事は、祈年式(としごいしき)の後に始まります。まず、前日つくった粥に葦筒十九本を束にして入れ炊き上げ、神前に供えます。祈祷が終わった後、宮司により筒粥が一から十九まで並べられ、順次二つに縦割りにされます。筒の中の粥の量によって米など十八品目の農作物の作柄と世情が判定され、結果が木版刷の紙札に記されて配られます。かつては農家がこの結果を作付けの目安にし、重要な神事であったことが分かります。
◎山荻神社社務所:御筒粥の神事
山荻神社では、毎年歳宮大明神御筒粥の儀が神事として行われています。これは、旧一月十四日に粥を作り、その中に長さ10センチ位・指の太さほどの葦筒を用い、葦筒は両端を斜めに切って、これに十八種目の作物の番号と終わりの一本に世の中という項目を入れ、これを粥の中に炊き込みます。一月十五日粥が出来ると籾・米・神酒・餅・魚・野菜・リンゴ・塩・水と共に、御宝前(枡)に入れて神前に供える。神官の祈祷が終わると、氏子総代4人立ち会いの上、筒粥の儀が行われる(神官の手で切り開かれた葦筒の中の粥の入り具合によって、その年の作物の豊凶を占うというものであります。占いが終わるとその結果を木版刷りの項目に書き入れ、区の氏子・神社祈年祭の参詣者に頒布敦します。このような神事が何時の時代から始まったか知る由もないが、景行天皇(123年頃)が諸州を御巡幸の砌り、五穀豊穣を祈り給われた由社傳に山荻神社名が記載されているので、おそらく千数百年に遡るものと推考される。平成五年(一九九三年)館山市の無形民俗文化財に指定されています。
山荻神社の筒粥神事
農作物の出来具合を占い、筒粥神事
県内でも各地で行われており、その大部分が一月十四日の深夜に行われている。
日中に行われる、筒粥占いは少ない。