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2012 |
オビシャは、県内全域に見られる年頭の行事として知られています。奈土のオビシャは、組織・儀礼がよく整い、また注目すべき三つ又での神事を伝えています。毎年二月十三日(現在は十三日以降の日曜日・十三日が土日の場合はその日)に、オビシャは行われます。奈土五区(五十二戸)が一番から三番組まで分かれており、その一組が一年交代でオビシャの当番を引受け、その組内の一軒がカンヌシ役、もう一軒がアイトウ役を務めます。午前中、氏神の磐裂(いわさく)神社で神事を行った後に、カンヌシがオニツキと呼ばれる書付と幣束を家に迎えます。幣束は、家の上座にある藁で作った酒樽にさします。午後になって、戸主が集まり酒を酌み交わし、獅子舞が披露されます。その後は、次期のカンヌシとアイトウ、区長・他の組長が参加して盃をやり取りします。次期カンヌシは、神の依代(よりしろ)を背負い、三つ又に行き、野菜で作った鶴亀や腹合わせの鮒の供え物をし、再び酒を酌み交わします。そして改めて、今年・来年のカンヌシの家でそれぞれ酒盛りをします。
奈土のオビシャ
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