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2009 |
いなざきの獅子舞は、毎年秋分の日(元は彼岸の入り日)、和泉鳥見神社の秋まつりに奉納される。この獅子舞は風流系統に分類される三匹獅子舞に道化を加えたもので、全体としては勇みの姿である。かつての円光院地内に勢揃いした獅子は道笛の音にのって道化の露払いで社前にいたる。「道化の舞」に始まり、雌獅子、中獅子、大獅子の順で「四方固めの舞」、次いで道化と獅子が四方の花笠の周囲をまある「花笠めぐりの舞」を行い、そして舞人の交替した大獅子が「網くぐりの舞」を演じて納めとなる。「いなざき」とは「稲先」に由来し、稲の収穫を前にして豊作を感謝する意味をもつといわれている。また、舞の各所で演じられる道化の所作には、稲の豊作にからめて、子孫繁栄を祈る気待ちが込められている。
いなざき獅子舞
押し寄せる宅地化から逃れるような場所にある、和泉鳥見神社。
高台から見る光景は農村に押し寄せるコンクリの波のようにも見えてしまう。
かつての円光院跡地から行列が出発する。舞は2時間に渡り鳥見神社境内で奉納される。
獅子舞よりも道化の河童の方が目出っている。