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国道一二七号線より長狭街道を南へ保田川の清流を隔てた、市井原地区の八幡神社の例祭に奉納される神事舞踊です。三匹獅子舞と神楽舞の二つに分かれて演じられます。起源は定かではありません。獅子頭に安永三年(一七七四年)に当村大工新六と墨書銘があるところから、それ以前から受け継がれてきたものと推測されます。はじめに黒塗りの獅子頭をかぶり、腹に羯鼓(軽い締太鼓)をつけた雄獅子、雌獅子、中獅子の三匹が、笛や太鼓や囃子唄に合わせて踊ります。これが雨乞いの神事です。三匹で登場する「ハチ揃い」や、朱塗りの獅子頭をかぶった一匹が、天の岩戸神話をもとにした太陽を願う神楽舞神事などが行われます。農耕文化と密接なかかわりをもって受け継がれてきた民俗芸能です。昭和の初期頃までは、羯鼓舞・神楽舞に加え六尺の樫の棒を使う棒術の農民武術も奉納されていました。かつては、鋸南町にも数多くの神社で三匹獅子舞が行われていました。すべて途絶えて現在は、市井原の獅子舞だけです。町の無形民俗文化財に指定されています。
◎獅子舞(羯鼓舞,三匹獅子舞)
演目:ブッカイ・雌獅子の踊り・コイコイ・サクマの踊り・庭ハエ・ハチ揃い
干ばつが続くと上総国高宕山山頂に出る霊水をもらい、神社に供えてから高い山に登って獅子舞を奉納する風習があった。
◎神楽舞
演目:能かがり・舞かがり・オンベの舞・ツルギの舞・かしら舞・一方水・三方水・舞おさめ
かしら役一名、あとかぶり一名
鴨川の磯村流の系統であると伝えている。
市井原の獅子舞・神楽舞
取材当日は生憎の天気模様。九時頃は余り人がいなかったのが、開始時刻になるにつれ見物人が増えて来ます。奉納舞が始まるころにポツポツと雨が降り出しました。天候の悪い中、羯鼓舞・獅子舞が奉納されました。羯鼓舞の龍頭は欠損部分が多く、脈々と受け継がれてきた歴史の重さが感じられます。獅子舞は優雅な感じの舞であり、県南の獅子舞では珍しいと思われます。
※平成十七年(二〇〇五)から奉納日を九月第二土曜日へ変更した。