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2009 |
神余(かなまり)の日吉神社では、七月一九〜二〇日の祭りに「かっこ舞」が演じられます。獅子頭をかぶった踊り手が、腰に小さな太鼓をつけ、これを打ち鳴らして舞うことから、かっこ舞と呼ばれています。太鼓と笛の素朴な響きに合わせて、三匹の獅子が舞う「かっこ舞」は、農耕生活には欠かせない雨を神に祈り、五穀豊穣を願うものです。花笠をかぶった少女が笛に合わせてすり鳴らすササラは、雨やカエルの鳴き声をあらわし、花笠から垂れる七色の紙は雨をあらわしていると言われています。祭りの日には、社殿の前と地区内八ヶ所で、計十回演じられます。神余のかっこ舞の歴史は古く、約二百年前から伝えられていると言われています。昭和初期には、それまで中断されていたかっこ舞を、お年寄りから踊りを教わりながら青年団が中心になって復活させました。しかし、戦争の激化など、その後も何度か中断してしまったこともありました。昭和四九年には、高校生達が地元の伝統を自分達で守ろうと「あすなろ会」をつくり、再び復活しました。その後、保存会がつくられ、伝統の舞は、今なお若者達の手によって伝えられています。平成八年には、市の無形文化財に指定されました。
神余のかっこ舞
撮影カット数が多かったが、あまり良作は生産できなかった…
羯鼓舞は動きが早いので撮影もむずかしい。