鹿野山のさんちょこ節'09
鹿野山のさんちょこ節(山頂娘節)は、江戸時代から伝わっているものといわれ、何の娯楽もなかった当時、お盆休みになると女の子が各家々の軒に置かれた縁台の上で、あや竹を使ってあやとり遊びをしたのがはじめと伝えられています。別名「あやとり唄」とか「なんでもせぇ節」ともいわれ、あやとり棒を両手に持ち、二人一組になって向かい合い、棒を打ち合わせたりして拍子をとりながらうたうもので、素朴な掛け合い方式です。さんちょこ節は、素朴かつ可憐で愛しさを感じさせる貴重な民俗文化財です。また、さんちょこの名前の由来には諸説があるが、「山の頂上の娘を縮めたもの」といわれている。さらに、さんちょこ節には踊りは従来からなく、当地を訪れた高浜虚子は、「おどりなき さんちょこ節は あわれなり」と詠んでいる。一.心願、二.薬師如来、三.九十九谷、四.鳥居崎、五.春夏、六.秋冬、七.滝、八.鳥、九.烏、十.富士山
の10番まであり、風光明媚な鹿野山の四季を唄いこんでいる。
鹿野山のさんちょこ節
一「心願」
心願ネー サモ ナンデモセー
心願かけるなら 鹿野山におかけネー
オサンチョ エー
みんなネー サモ ナンデモセー
みんな願いは サイショ 鹿野山ネー
オサンチョ エー
二「薬師如来」
あやをネー サモ ナンデモセー
あやをとるなら 鹿野山においでネー
オサンチョ エー
鹿野山のネー サモ ナンデモセー
鹿野山の薬師は あやとり薬師ネー
オサンチョ エー
三「九十九谷」
九十ネー サモ ナンデモセー
九十九谷は 鹿野山の名所ネー
オサンチョ エー
日の出ネー サモ ナンデモセ一
日の出 月の出 サイショ 谷の数ネー
オサンチョ エー
四「鳥居崎」
鹿野山のネー サモ ナンデモセー
鹿野山の鳥居崎 眺めが広いネー
オサンチョ エー
十三のネー サモ ナンデモセー
十三の国々 眼の下に見えるネー
オサンチョ エー
五「春夏」
春はネー サモ ナンデモセー
春はつつじに 桜の花よネー
オサンチョ エー
夏はネー サモ ナンデモセー
夏は暑さを サイショ 知らぬ山ネー
オサンチョ エー
六「秋冬」
秋はネー サモ ナンデモセー
秋はもみじに 妻恋う鹿よネー
オサンチョ エー
冬はネー サモ ナンデモセー
冬はしずかな サイショ 雪げしきネー
オサンチョ エー
七「滝」
滝はネー サモ ナンデモセー
滝は数ある 四十と 八滝ネー
オサンチョ エー
白滝ネー サモ ナンデモセー
白滝 大滝 サイショ 名に高いネー
オサンチョ エー
八「烏」
里からネー サモ ナンデモセー
里から烏は 日暮に帰るネー
オサンチョ エー
里のネー サモ ナンデモセー
里のたよりを 烏に聞こかネー
オサンチョ エー
九「烏」
鹿野山のネー サモ ナンデモセー
鹿野山の烏は 毎朝里へネー
オサンチョ エー
たよりネー サモ ナンデモセー
たより頼もか サイショ わが里へネー
オサンチョ エー
十「富士山」
広重もネー サモ ナンデモセー
富士の眺めを 鹿野山でかいたネー
オサンチョ エー
胸がネー サモ ナンデモセー
胸がすきます 鹿野山の富士はネー
オサンチョ エー
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♪鹿野山のさんちょこ節(山頂娘節)
SONY PCM-D50 / RODE NTG-2 |
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奉納日:不定期
伝承地:千葉県君津市鹿野山118