房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

八岡の大黒様(甲子大黒天'06)

甲子開運大黒天のあらまし
当、甲子開運大黒天は朝日開運大黒天(真野の大黒様)の分身であります。朝日大黒天像は、清和天皇の御代・貞観2年(860年)僧円仁が真野寺を訪れ参籠中の旧正月6日朝日昇天の中に大黒天神が出現され円仁はこの御尊像を直ちに一刀三札によりお彫になられたもので円仁(後に貞観8年(866年)清和天皇より茲覚大師の号を賜る)茲覚大師の御秘作であります。明治40年代の後期に磯村(現在の大浦地区)の有志十余名により長狭郡の人々に多くの参拝をと願いこの地に大黒様が安置されました。当時の模様は、まだ日の明けやらぬ朝三時に、磯村を大八車を曳き発ち真野大黒様より大黒天を授かった後、夕方4時に帰村した時には村を挙げて盛大な祭りが催されたと伝え聞きます。御身体安置と同時に故山田勝太郎氏を中心に役員十名・会員数六十名をもって甲子会が結成され以後、第二次世界大戦勃発の昭和15年までこの会で運営されてまいりました。特に旧暦正月十五日の大祭には近在の参詣客が訪れ素人芝居小屋、露天商が建ち並び御本家・真野大黒天をも上まわる賑わいを見せておりました。その後戦火も激しくなり、当時の役員の諸氏も次々と他界され管理が儘ならず、本日まで放置されているのが現状でございます。大黒天は商売繁昌・大漁豊作・開運福徳・無病息災・平安無事を願う神像でございます。建立以後八十有余年の間、関東大震災、戦火及び40年もの放置にもそのままのお姿で安置されておりますことを見ましてもいかに御霊験あらたかな、御立像であられることがわかります。以上甲子開運大黒天のあらましをご紹介させていただきました。

八岡の大黒様

真野大黒天(南房総市)の分身と伝えられる甲子大黒天の霊験あらたかな姿を拝観することができます。
毎年2月6日に行われる、旧丸山町の「真野大黒天福祭」は毎年大勢の人出で、参道は露店が立ち並びます。
鴨川市貝塚にある大黒天は真野大黒天の分霊であります。

奉納日:毎年1月15日 8:00〜15:00
伝承地:千葉県鴨川市貝渚2471 甲子大黒天