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旅名の羯鼓舞は、かつて日照り続きになったとき、農民がこの社に集い雨乞いを行ったところ、突然竜神が現われ、慈雨を降らせたという故事にならって、獅子を竜にたとえて舞にしたものである。羽毛を密生させた竜頭を頭につけた親獅子・中獅子・牝獅子の三体が、ササラすりを四方に配し舞うもので、ササラを打ちならす音は雨音を表わし、花笠の垂れ糸は雨滴にたとえたものであるという。哀調をおびた笛の音に合わせ腹部につけた小鼓を打ちながら踊る姿は優雅の気に満ちており、棒術と好対称である。この舞は、棒術のあとに同じ場所で、旅名地区の氏子によって演じられる。
旅名の羯鼓舞
君津市、唯一の三匹獅子舞であり、
君津地域では富津市「鶴岡の羯鼓舞」、君津市「旅名の羯鼓舞」の二つしか今日では現存していない。
かつては袖ヶ浦でも羯鼓舞が行われていたが、時代の流れと共に演者が消え舞われなくなってしまった。