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2009 | 2003 |
袖ケ浦市阿部(あべ)地区
新しいワラで男女一対の等身大のワラ人形をつくり阿部部落の鎮守さまに奉納、悪病退散と五穀豊穣を祈る行事である。この奇習は、同部落の春日神社の秋祭りの行事として「かしま人形」と呼ばれ、古くから伝わっている。毎年九月中旬に実施され、最初に頭・手などの身体の各部分を別々につくり、最後に組み立てる仕組みである。男の人形、女の人形ともに腰に竹棒の刀を二本ずつ差し、男には槍、女にはなぎなたを手に持たせて完成。完成した人形を神社の鳥居の両側に立てかけ無病息災・五穀豊穣を祈ったあと氏子たちは集会場でお祝いの宴を張る。この奇習は、いつ頃の発祥か定かでないが男女それぞれのワラ人形が武者姿で、しかも手足の指が人間より一本少ない四本と決められているなど怪奇めいている。戦前まで小櫃川沿岸の地区で広く行なわれていたが、今では県内でもまれな民俗行事として貴重である。
阿部のかしま人形
君津地域で現在、鹿島人形が作られている地域は四ヶ所のみである。
【袖ケ浦市】 阿部
【君津市】 大阪鴫畑・広岡鹿ノ畑・俵田第一部
これらの地域以外にかつては方々に鹿島人形が伝えられていた、だが時代の変化と共に消えていった。
阿部地域の鹿島人形は君津地域(袖ケ浦・君津・木更津・富津)に伝承されている、鹿島人形のルーツではないかと言われている。