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2015 |
◆式年鳥居木曳祭とは、天津神明宮で二十年に一度行われている鳥居の建て替え神事です。式年とは定められた年という意味で、寿永三年(一一八四)源頼朝により伊勢の神宮より天照皇大御神、豊受大神の御分霊を勧請して創建された当社において、伊勢の神宮の式年遷宮にならい、行われている神事であります。以前は伊勢の神宮と同じく、社殿そのものを建て替えていたとされていますが、毎回社殿を建て替えるには氏子の負担があまりにも大きく、鳥居の建て替えに代えて行われるようになったと言われています。御用材には地元の杉が使われます。杉は旧天津小湊町(現、鴨川市天津小湊地区)の町木でもあります。鳥居の建て替えが行われる前年秋(今回は平成廿六年一二月八日)には御用材を山から伐り出す、神木斧始祭(伐採式)が行われ、一連の神事が始まります。◆伐り出された御用材は神木送祭の後、町内に安置され、氏子の奉仕により、皮むき・磨きがなされます。そして、約九ヶ月寝かされた後、建て替えの年の夏、氏子の手によって御用材を数日間かけて天津各町内を曳き巡らし、天津神明宮に曳き納める、鳥居木曳祭の神事が行われます。鳥居木曳祭は伊勢の神宮の式年遷宮で言うところの御木曳であり、最も規模の大きい神事です。普段静かな天津の街中ですが、鳥居木曳祭の間は大勢の人たちが繰り出し、熱気と興奮に包まれます。曳き納められた御用材は鳥居木造始祭の後、大工の手によって加工され、同年十月に鳥居として立ち上げられます。天津神明宮例祭日(毎年十月一六日)の前日である十月一五日には鳥居通初上棟祭が行われ、翌一六日新しい鳥居が聳える中、例祭式が行われます。天津神明宮の主祭神である天照皇大御神の弟にあたる須佐之男命が祀られている須賀神社(通称:天王様)においても、あわせて鳥居の建て替え神事が行われます。
天津神明宮 式年鳥居木曳祭
平成廿七年(西暦二〇一五年)/皇紀二六七五年 乙未
Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED + SpeedLight SB-910
Nikon D800 + AF-S NIKKOR 16-35mm F4G ED VR
AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VR
二〇年に一度の鳥居建替行事
伊勢神宮の式年遷宮祭と同様に、かつては社殿を建て替えられていたが氏子の負担を考え鳥居だけの建て替えとなった。
台風の影響により、初日の巡幸路とイベント会場が変更になったが、つつがなく二〇年振りの行事が行われた。
木遣りと御囃子と曳手が町内を巡り、所々で輪になって踊り、天津神明宮へと向かう。