房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

竜岡の獅子神楽'15

館山市の竜岡では、八月九日の例祭日に獅子神楽が演じられる。松岡・南竜・北竜という三村が明治初期に合併してできたこの集落だが、神楽は道路を挟んで向かい合う南竜と北竜のみの約三十戸で行われる。各々が神社を有しており、役員の選出も相互に行っているが、南竜・北竜の連帯感は強く、松岡とは一線を画するものがある。平成元年、老朽化が原因で南竜の熊野神社が北竜の子野神社に合祀された。それまでは神楽も二日問行われ、熊野神社を出発してムラを回り、子野神社や納めるのが慣例だった。初日には近隣の集落や安房神社にも足を伸ばしていたという。かつては、神楽のほかに、茶番劇や手踊りなどの出し物も豊富で、他集落からも見物に来るほど盛況だったが、戦後の一時期、演者の不足によりやむなく中止に追い込まれた。十年余り後の昭和四十九年に復活し、現在に至る。演目は、サガリハ、幣、鈴、狂い、十六と続く。獅子の中に入る演者が熟練した者から若者にたびたび交代するのは、次世代への伝承を考えてのことだろうか。中断を復活に導いた思いは、今も続いてる。《 館山市立博物館報 第46号 1994/3/25 》

竜岡の獅子神楽


八月九日
12:00 祭典
12:30 奉納舞
13:00 舞終了、直会
八月一〇日
09:00 奉納舞(龍岡神社)

Nikon Df + AF-S NIKKOR 28-300mm F3.5-5.6G ED VR + SpeedLight SB-910

安房地域の獅子舞の中では、比較的に面白いと思う。
舞の最中に唄もあります。
また、獅子は終盤に拝殿に上り込みます。

奉納日:毎年八月九・十日
伝承地:千葉県館山市竜岡611 龍岡神社