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2015 |
豊栄地区木積に三〇〇年前から伝わるシノダケとフジを材料に箕を製作する技術「木積の藤箕製作技術」は、平成二一年に国の重要無形民俗文化財に指定され、「木積箕づくり保存会」が保護団体に認定されました。平成二四年三月現在、全国で十一件の民俗技術が重要無形民俗文化財に指定されており、千葉県内では「上総掘りの技術」に次いで「木積の藤箕製作技術」が二件目になります。木積の藤箕は、江戸時代から「化粧箕」と呼ばれる美しい藤製の箕として広く知れ渡っており、関東一円に販路を持ち、最盛期には年間一〇万枚もの生産量を誇っていました。また、戦後から昭和四〇年代までは、木積およびその周辺地域の農家一〇〇戸余りが箕作りに従事していました。しかし近年は、農家が箕を使うことが少なくなるなど、需要の低下と共に木積周辺では箕作りをする人が減少し、現在、技術を継承できる人は一〇人ほどになってしまいました。そのため、記録保存や伝承活動を目的とした、ふるさと文化再興事業「地域伝統文化伝承事業」が平成一六、一七年度に行われ、映像記録や解説書が作成されました。その後木積では、平成一八年に「木積箕づくり保存会」が発足し、共同で材料採取するなどの活動を開始したほか、従来から開催されていた「おせん様のふじ祭」での箕づくり実演に加え、箕を使った米運び競争などの体感イベントを積極的に行っています。保存会の皆さんは「今後も箕の素晴らしさを伝え、本市の伝統工芸品の宝として永く残すための活動を伝えていきたい」と語っています。《匝瑳市勢要覧2012》
おせん様のふじ祭
平成二十七年度 開催日程
Nikon Df + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED + SpeedLight SB-910
周辺の散策として、樹齢約百年の「龍頭寺の大藤」は見事です。
※臨時駐車場あり