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2015 |
関東では江戸時代に大津波や富士山の噴火、大洪水などの災害が続けて起こりました。九十九里浜沿岸の船頭給では、元文二年九月(一七三七)の暴風雨で水田に海水が押し寄せ、種籾も残らないほどの大きな被害を受け、落ち込んだ村人の気持ちを鎮め、安全を祈るために祈祷神楽として始められたという。そのために船頭給では今でも、毎年三月第一土曜日(以前は三月一日)に行なわれる水神社春祭には、朝早くから獅子舞が船頭給の家々を廻って、五穀豊穣・家内安全・悪疫退散を祈ります。この獅子舞は青年団の人達を中心に行なわれています。獅子頭をかぶる「布舞」から始まり、「幣束舞」「鈴舞」と続き、布をあおりながら回る「怒りだし」「悪魔払い」「怒り納め」までが連続して行われる。毎時間は約五分で舞手を交代しながら家々を廻って行く。
船頭給獅子舞
一宮町の「船頭給獅子舞」は午前十時頃に現地着でも撮影は間に合うが、神楽連(青年団)は常に車で移動しているので、お囃子を頼りに探すしかない。悪魔祓いの獅子祈祷は、家々の神棚前で五分程度の舞を行うが、まれに玄関前で舞を行う家もあるので、この時が数少ない撮影のチャンスとなる。午前七時頃から水神社で、安全祈願の舞い始めを行い村廻りが始まる。区内の家々を廻り終えるのは、日も暮れた十七時頃である。取材側も常に車移動で追わないと無理である。