房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

内黒田はだか参り'14

南北朝時代永和二年(一三七六年)創建と伝わる内黒田熊野神社(旧熊野三社大権現)で行われる「内黒田はだか参り」は、数百年の歴史を持ち、五穀豊穣と無病息災を祈願する伝統神事です。日本古来の山岳信仰と神道、大陸からの密教・陰陽道が融合して生まれた「修験道(修行・呪術)」の流れを組むと考えられています。氏子男性の“裸坊”が、焚き火の側で水をかけ合い身を清め、鳥居と拝殿の間を七往復します。そして、水に浸した長さ約三〇センチメートルの稲わらの束を拝殿へ三本投げこみ、散らばった形の様子でその豊凶を占い祈願します。また、鳥居脇に焚かれる“かまやき(焚き火)”にあたると、その年は無病息災になると伝えられています。その後、“中入り”という休憩・暖をとり、地区の女性たちが太巻き、おはぎなどの地元料理を裸坊に振る舞います。続いてさらに五往復し、最後に本堂を三周したあと、神社総代の胴上と北辰妙見信仰の名残りと考えられる当社伝統の“妙見締め”で終了します。

内黒田はだか参り

Nikon D800 + AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED + SpeedLight SB-910

※車で撮影に来られる方は、霊園付近に駐車した方が無難です。

奉納日:毎年3月15日 16:00-17:00
伝承地:千葉県四街道市内黒田629 熊野神社