房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

小戸の初午祭り'13

小戸の初午祭りは口碑の上では江戸時代後期から行われてきたとされる。初午祭には獅子神楽舞、小歌踊りなどの芸能が奉納されてきた。しかし、昭和にはいり戦時中は中断しており、昭和二二年に復活している。そして、昭和五一年から五五年まで中断した後、昭和五六年に五年振りに復活。さらに、昭和六〇年に館山の市民センターで一部が演じられた後、再び中断していて、平成元年、八年振りに再興を遂げた。それ以来、平成四年には三年毎に実施する事が決まり、平成七年に笛と漫才が復活したという経緯をたどっている。初午祭りは稲荷神社の祭礼である。祭礼当日は二日にわたって奉納芸が演じられる。初日は山祭りと呼び、祭典のあと稲荷神社の境内に架設された舞台で「神楽獅子舞」をはじめとして「鳥刺し舞」「三番叟」などが演じられる。演目のなかには「小奴」「大奴」や「野毛の山」「かっぽれ」に「伊勢音頭」、「おかめ前立ち」や「狐おかざき」に「漫才」や「玉獅子」などの演目もあり、「鬼鍾馗」や「院長薬盛」の神楽狂言も加わるなど多彩な芸能が演じられる。二日目を浜祭りと呼んでおり、海岸に架設した舞台で前日同様の芸能が奉納される。初午祭りに奉納される芸能には、近隣地区の奉納芸に匹敵する内容豊かな演目が継承されており、民俗芸能として貴重なものもあって、その資料的価値は高い。《広報白浜 No.284 平成十七年四月一〇日発行 白浜町役場企画観光課》

小戸の初午 山祭り
平成廿五年三月二日 当日次第


08:00 山神楽 村廻り開始(高張提灯・宮立)
09:00 幟旗・花万燈・山神楽 御練り宮入(小戸青年館〜稲荷神社)
09:25 稲荷神社着(山神楽は階段下で待機)
09:30 山神楽 村廻り奉納(神社階段下〜村廻り)
11:30 山神楽 神社着(階段を上がり拝殿前に待機) / 昼食休憩
12:30 初午祭踊り奉納 / 区長挨拶・餅投げ
12:50 山神楽
13:03 三番叟 -さんばそう-
13:15 鳥刺し
13:27 小奴 -こやっこ-
13:42 大奴 -おおやっこ-
13:56 野毛の山
14:04 伊勢音頭
14:11 狐おかざき
14:28 かっぽれ
14:38 おかめ・前立ち
14:59 玉獅子〜大獅子
15:09 鬼・鍾馗(しょうき)
15:30 院長さん・薬盛り
15:45 終演
16:00 山神楽 村廻り奉納(拝殿前〜村廻り)
19:00 山神楽 舞納め

◎大奴 -おおやっこ-
一、かしま浦には 何ん何ん 何ん何ん
   エーコリワイサー
  かしま浦には 宝貴船がつんづいた
    オヤ申せ オヤ申せ ドッコイ
二、今年しゃ世が良い 何ん何ん 何ん何ん
   エーコリワイサー
  今年しゃ世が良いさんさ穂に穂が
           咲いたとさ
  オツヤが父っあん 抱いだらはなすな
  しんぼうどころか オヤ申せ オヤ申せ ドッコイ
三、御代は目出度の 何ん何ん 何ん何ん
   エーコリワイサー
  御代は目出度のさんさ若松様ヨー
    オヤ申せ オヤ申せ ドッコイ

稲荷神社(通称、小戸の稲荷さま)に於いて、三年毎の五穀豊穣を祈願して、お踊りが奉納されます。
雨天の場合は両日とも「自然休養村管理センター」で開催。
元来は毎年三月一・二日に行われていた。現在では三年毎の三月一日直近土日に行われている。
※このページ上の画像は二〇一三年三月二日に撮影された写真です。

奉納日:三年毎の三月一日直近土日 → 次回は二〇一六年二月二七・二八日
伝承地:千葉県南房総市白浜町白浜3208 稲荷神社(山祭り)・自然休養村管理センター(浜祭り)