房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

取香の三番叟'11

成田市の取香地区は、新東京国際空港に隣接する農業を中心とした約五十戸の集落です。毎年四月三日の側高(そばたか)神社の祭礼に奉納されています。夕方、地区内の円勝寺から万燈を先頭に、大太鼓・小太鼓・笛のお囃子らが、「佐原囃子」を演奏しながら神社まで練り歩きます。神社に着くと、神事の後に三番里が舞われます。かつては、その後も地区内の旧家を回って深夜まで舞ったといいます。三番叟は、デクと呼ばれる舞手と、下座(げざ)と呼ばれる囃子方に分かれます。舞手には、千歳(せんざい)・翁(おきな)・三番叟(さんばそう)の三人で、それぞれ謡や舞、そして掛け合いが披露されます。取香の三番叟の特徴は、舞手の動作が大きいことと、地元の祭り囃子が取り込まれている点です。由来は、はっきりしていませんが、面の箱に「天保十一年」(一八四〇)の銘があることから、江戸時代後期には伝来していたと考えられます。

取香の三番叟

午後二時、円勝寺から万灯が側高神社へ向かって練り歩きます。
万灯振りは出発の円勝寺で一回、道中で二回、到着した側高神社で一回行われます。
神事が終わり三番叟が始まると、境内は地元の人達と見物人で賑やかになります。
動きが早く、ビデオカメラマンが三名ほど居たので余り思い通りには写せませんでした。

奉納日:毎年4月3日 直近の日曜日or土曜日 13:00〜15:30
伝承地:千葉県成田市取香276 側高神社 / 成田市取香373-2 円勝寺