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2010 |
久能の獅子舞は、約300年前から行われていると言い伝えられており、富里市に現存する郷土芸能の中で最も古いものといえます。例年4月3日と8月最終日曜日に、駒形神社の境内で五穀豊穣や交通安全など、久能地区の人々の息災を願って行われる行事です。獅子舞は、頭の大きなものから順に「雄獅子」「中獅子(雄)」「雌獅子」と呼ばれる三匹の獅子によって演じられ、笛と大小太鼓の囃子に合わせて舞を踊ります。久能の獅子舞は別名「やきもち獅子」とも呼ばれており、一匹の雌獅子をめぐる二匹の雄獅子のストーリーが展開されます。4段の場から構成されていて、1段目の場では、雌獅子と雄獅子がそれぞれの個性を表わし、2段目では、3匹が入り乱れ仲良く踊りに興じます。3段目では、雄獅子2匹による雌獅子の独占争いが始まります。争いは、話し合いという形で始まりますが、何度話し合いをしても折り合いがつかず、そのうちに雄獅子同士の喧嘩が始まってしまいます。喧嘩の様子はユーモラスで、勝ち獅子は右に左にと大きく飛び回り、倒れて負け獅子が立ち上がろうとしているところに出向き、「どうだ!参ったか」というような仕草を見せます。結局、勝負は引き分けとなって、舞は4段目に移ります。二匹の雄獅子は争いの愚を悟り、最初のように三匹の獅子は仲直りして舞は終わります。
久能獅子舞
午後二時頃、道路に面した神社入口の車止めポールに花万灯を飾り付ける。午後二時三十分、拝殿内で式典が始まる。午後三時頃、花笠・子供獅子・三匹獅子舞・花万灯(現在はポールに固定)・囃子方が神社鳥居から境内へ入場して行く。本来であれば、花万灯も獅子入場の際にマントウ踊り(派手な着物を着た踊り)を披露したと資料には書かれている。最前列の花笠は踊りながら入場して拝殿前に整列する。拝殿に向かって三匹獅子が舞い、後方に子供獅子が一列に並び簡単な舞を三匹獅子と共に舞を行う。
※撮影は動きの早い三匹獅子に失敗してしまった…真正面から撮影したかったが、花笠の子供が拝殿前に居たので無理でした。カメラマンは5名程度と少なめです。