房総の祭事記 〜千葉の郷土芸能と民俗行事〜 モドル ホーム

平岡鳥見神社の獅子舞'09

鳥見神社の獅子舞は、利根川、手賀沼付近の台地に点在する鳥見神社の一つに平岡鳥見神社の境内で行われます。毎年五月三日の平岡鳥見神社の春の例大祭に苗代の種まきが終ってから悪魔払いと豊作を祈願して、奉納されるものです。舞は元来、大森の鳥見神社に伝わるもので延元3年(1338年)、北畠顕家の軍に従い、北軍と戦った武士の残党の一部が関東地方に移った時に持参した獅子頭を使って舞ったのが始まりといわれています。延宝6年(1678)に現在の平岡鳥見神社に大森鳥見神社の神官渡辺氏の長男信正が平岡鳥見神社に奉斎したからと記録に残っています。この獅子舞はいわゆる三匹獅子舞で、毎年五月三日のオコトといわれる日に、鳥見神社で演じられます。この獅子舞は文明年間(1469-1486)から続いているといわれ、悪魔祓いや五穀豊穣を祈願して、苗代の種蒔きの後に舞われました。獅子舞の上手下手で豊凶を占ったとの口伝も残されています。三匹の獅子はそれぞれ、ジジ(親獅子)、セナ(子獅子)、カカ(雌獅子)と呼び、土地の青年から選ばれた者が舞います。演目は、「初の切」「二の切」「弓越えの舞」「寝起きの舞」「三角の舞」「蚯蚓拾いの舞」「喧嘩の舞」「仲直り三角の舞」などがあります。獅子は腹前に羯鼓を持ち、桴で叩きます。囃子は、笛が中心です。当日は、神官の家に集合し準備をし、正午になって神官宅(平岡会館)で一度舞い、それから神社境内に移り、夕方になって再び神官宅で舞って終えます。また、古老たちが当日の晴天を願って2、3日前に天道念仏を唱えるという風習もあります。

平岡鳥見神社の獅子舞

撮影場所となる境内は薄暗く逆光状態、ISO800 1/125にして撮影を行った。
録音のPCMレコーダーは置き場所が無いので、楽師の後にセットした。

奉納日:5月3日 12:10-出発祭 12:45-平岡会館から行列 13:00-式典 13:30-初の舞 15:00-二の舞 15:40-餅投げ
伝承地:千葉県印西市平岡1476 鳥見神社