広済寺の鬼来迎'08

鬼来迎は、鎌倉初期にはじめられたもので、昭和５１年（1976年）に国指定重要無形民俗文化財に登録されました。
全国で唯一の古典的地獄劇です。演者、舞台設営、衣装着付整備すべてが地元民の手で行われます。
地獄を再現し因果広報、勧善懲悪の理法を説く全国でも珍しい仏教劇です。
劇は地獄の責苦を骨子とした「大序・賽の河原・釜入れ・死出の山」の四段です。鬼舞は広済寺で開かれます。
話の筋は、地獄を舞台とし、死者が閻魔大王の裁きを受け、鬼どもの責め苦に遭うものを菩薩が救うという内容です。

広済寺は新義真言宗智山派の寺院で山号は慈山です。開山は石屋和尚といわれています。
石屋が当地の辻堂で一夜を明かしたとき庭前がうるさいので､見ると新しい墓に向って鬼が妙西信女を呼び出し､折檻する光景を見ました。
当寺は妙西信女の親、椎名安芸守が石屋からこの話を聞き､娘の菩提を弔うために一寺を建立したのに始まるといわれます。